軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

127.襲撃。

リーダーから、ガルアル神とカシュリア神は間違いなく双子だと報告を受けた。

そしてその結果に、2柱とも凄く喜んでいたそうだ。

何でも、年子という事で「奇跡」と言われる事もあるが「母親の悪い噂」もよく聞いたらしい。

でも双子だったら、母親の噂は間違いだと反論できる。

それが、ガルアル神もカシュリア神も嬉しいのだと言ったそうだ。

良かったと思い、リーダーに「お疲れ様」と言った。

でも次の「彼等と共に両親に会ってきました」という言葉には首を傾げてしまった。

詳しく話を聞くと、ガルアル神達からの要望だったみたいだ。

「それで、両親から話は聞けたのか?」

俺の言葉に、少し考えこむリーダー。

あれ?

証拠もあったから、問題が起こる事は無いと思ったんだけどな。

「ガルアル神が、両親に『俺達は双子だったんだな』と確信した様子で問うと、母親の方が混乱気味に『絶対に違う! 双子なんかではない!』と叫んだんです。その雰囲気が少し異様に見えて、ガルアル神もカシュリア神も戸惑っていました」

そんなに知られたくない事なのか?

ガルアル神もカシュリア神も、双子だと聞いて喜んだのに?

「母親が『双子だと判断できる証拠はない』と言ったので、ガルアル神が双子だけが持つ力について説明しました。それを聞いた母親が頭を抱えて泣き出してしまい、さすがのガルアル神も言葉を失っていました」

「泣き出すほど、双子が嫌だったのか?」

殺さずに生かす方法を探したから、双子に対して拒絶は無いと思ったんだけど。

「いえ、違います。双子が嫌なのでなく、知られると殺されると思ったようです」

殺される?

「誰にだ?」

「それは不明です。ただ、色々あったんだと父親が話してくれました」

「もしかしてガルアル神とカシュリア神は、命を狙われていたのか?」

そうでなければ、殺されるとは思わないよな。

「はい。ガルアル神達が生まれた時、両親は双子で生まれた事を特に気にしなかったそうです。ただ彼等が少し生きづらいかもしれないとは、思ったそうですが」

「いい両親のもとに生まれたんだな」

でも今2柱は、双子でなく年子だ。

両親の気持ちを変えるだけの何かが起こったという事だよな。

「生まれて2日目。子供達を寝かせているベッドが、なぜか移動していたそうです。そしてその次の日、そのベッドを黒い力が襲撃したんです」

黒い力?

「母親がすぐに気付き子供達を助け出したそうですが、それが何度も何度も起こったと言っていました」

「その黒い力は、闇の魔力か? それとも魔神力?」

闇の魔力も魔神力も普通は見えないが、強い怨みや妬みが込められると黒く見える時があると最近分かった。

「いえ、闇の魔力や魔神力ではないそうです」

違うのか?

他に力と言えば光の魔力と神力だけど。

「子供達を襲った力の正体は、今も分かっていません。ただ黒い影や煙のように見え、自由に動き回っていたようです」

黒い影や黒い煙で思いつくのは、やっぱり魔神力や闇の魔力だな。

他は思いつかない。

「両親は何とか子供達を守ろうと住む家を変えたりしたそうですが、何処にいても襲撃されたそうです。かなり追い詰められたと、当時を思い出したのか父親は苦しそうでした」

子供が意味も分からず襲われているのだから、追い詰められて当然だ。

「父親は、ガルアル神とカシュリア神を同時に失う訳にはいかないと、別々に過ごす事にしたそうです。でもその日から何故か、黒い力の襲撃はありませんでした。父親はもしかしたらと思い、ガルアル神とカシュリア神が一緒にいる日と別々になる日を作り様子を見る事にしたんです」

子を囮に使うのは辛かっただろうな。

「その結果、ガルアル神とカシュリア神が一緒にいると黒い力が襲撃してくることが分かりました」

「そうか。んっ? でもそれなら年子にする必要は無かったのでは?」

「はい。最初は2柱を、別々の場所にいさせる事で襲撃は落ち着きました。ですが、すぐに別々の場所にいても襲撃されるようになったみたいです」

黒い力が進化したのか?

「黒い力はどんどん変化し、建物の外までは追って来なかったのが追って来るようになりました。彼等は、結界で守れないかと叔父に助けを求めたのですが、そこでも襲われてしまい慌てた母親が子供達を守るために傍にあった結界の中にカシュリア神とガルアル神を入れたんです」

ガルアル神達の叔父は結界を研究している者だったな。

「子供達を結界に入れた瞬間、黒い力は消えたと言っていました。そして、落ち着いてから子供達を出そうとしたら、ガルアル神は問題なかったのですが、カシュリア神の入った結界の方に問題が起こってしまったんです」

問題?

「結界の研究者である叔父は、神族の子供達だけが掛かる病気の研究者から、子供達の治療に掛かる負担を減らす方法を相談されていたんです。彼は結界の中で眠らせた状態で治療すれば、負担が減るのではないかと考え、結界を研究していました。カシュリア神が入ったのが、その病気のために作った試作品1号の結界でした」

守るために入れた結界に、まさか問題が起こるとは思わないよな。

冷たい言い方になるけど、運が悪かったんだろうな。

「ガルアル神が入った結界は試作品11号。この2つの結界の違いは、安定性でした」

「つまりカシュリア神の入った結界は、不安定だったため問題が起きてしまった」

「はい。すぐに結界を開けて助けようとしたのですが、スリープの魔法が掛かり下手に開けてしまうと命に係わる可能性があると分かりました」

だから結界を開けなかった。

そのせいで、年子として育てるしかなくなったのか。

「カシュリア神を結界に入れた母親はかなり後悔したみたいですが、その日から黒い力が子供達を襲撃する事は無くなりました。結果的に、2柱を守り切ったといえるでしょうね。母親が双子という事実を認めなかったのは、また黒い力に襲撃されたらという不安からだったんです」

それだけ襲って来た黒い力を恐れているという事だよな。

いったい、どんな力なんだろう?

黒い色だから、マイナスの感情を纏っている事は分かるのだが。

「結界に入ったカシュリア神はずっと眠り続けたのですが、結界に限界が来て救出。その時にごっそりと神力を奪われたために死にそうになったそうです。カシュリア神を結界の外に出しても黒い力が襲撃してこなかった事から、双子と修正せず年子としたそうです」

「そうか。色々聞けて良かったけど、ガルアル神の両親には悪い事をしたな」

神国の問題を知る事は重要だけど、そのせいで誰かを不安にさせてしまうのは駄目だ。

隠していた理由がある事を考えなかった、俺のせいだな。

「そうだ。双子だと知ったせいで襲撃された事は?」

「ありません。大丈夫です」

良かった。

「まだ黒い力を操る者に、彼等が双子だとバレていないのかもしれないですね」

そうだな。

でも知られたら、また襲撃されるかもしれない。

「両親の不安な気持ちもあるので、双子だという事はこのまま伏せて行くそうです」

それが良い。

それにしても、黒い力か。

「神国には、正体の分からない力が多いな」

黒い力、呪いに関係している闇、それと声。

しかも闇は、神が認識できていない。

認識か……。

あっ、存在証明されていない力なのかもしれない。

神は見境なく呪いを生み出しておきながら認めなかったせいで、巨大な力が暴走しかかっていた。

もしかして、呪い以外にもそんな力があるのかもしれない。