軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

14.小さな異物……膨大な魔力

しばらく仲間の様子を見たが、どうやら結界が上手く働いているようだ。

今思えば、あの時の結界は俺自身が少し混乱状態での発動だった。

それに気づき、結界が破れないか心配だったのだが、何とかなっているようだ。

よかった。

しかし今回の事で、コアがものすごく落ち込んでしまった。

俺に攻撃した事がショックだったようだ。

だが、あれは誘導されていたのだから仕方がない事だと思う。

チャイがいつも寄り添っているから安心だが、落ち着くにはもうしばらく時間がかかりそうだ。

それにしても、これだけ影響を及ぼすとは……森にいったい何が隠されているのか。

森全体へ何度か魔力を流して調べてみたが、異変を感じる魔力を掴むことは出来なかった。

それほど高度に隠されているという事だ。

早急に森を調べなければならないな。

……

コアが、まさか10日も引きずってしまうとは。

俺を見て萎縮するコアの姿が、一番堪えた。

絶対に原因を突き止めてやる。

森へ視線を向ける。

ここ数日考えていたが、やはり誘導された大量の魔物を相手には出来ない。

誘導か……洗脳に近いよな。

まぁ、どっちにしても森へ入る前にどうにかしないと。

森の中に居るすべての生き物を、結界で守ることはさすがに出来ない。

誘導している元を特定して、壊すなり封じるなりするのが一番なんだが、異変を感じる魔力が不明。

魔法で調べられないかと、昨日の夜は森に探索魔法をかけてみたが何も分からなかった。

元が分からないため、他の方法を探すしかないが……。

ふ~、何かいい方法があると思うのだが。

そう言えば、結界魔法をイメージするときに誘導する魔力を結界に吸収させたな。

吸収した魔力から何か分からないだろうか?

結界か。

俺の周りにもあるはずだよな。

目を閉じて結界を意識すると、俺を囲うように高濃度の魔力の膜があることに気付く。

「すごい、これが結界か」

俺の体に沿うように結界の膜が全身を包み込んでいる。

ちょっと驚く光景だな。

って驚いている場合ではないか。

見つけるのは吸収した誘導する魔力だ。

俺の魔力とは、異なる種類の魔力を探せばいいはずだ。

魔力の膜を調べていくと、小さな、本当に小さな異なる魔力を多数確認する事が出来た。

サイズは2㎜ぐらいだろうか。

……まさかこれが?

こんな小さいモノで、考えや気持ちが左右されるのか?

小さい魔力を集めてみるが、何も感じない。

小さすぎるためか、違和感も感じない。

これではないのか?

結界の膜を調べるが、目の前の小さい魔力以外問題は見つけられない。

そしてこの短時間に、この小さい魔力が新たに吸収されている。

もしかして塵も積もればって感じか?

体や魔力が異物と感じないほど小さい状態で入り込み、積もり積もって影響を及ぼしていく。

そんな感じだろうか?

でもそう考えると、不安感が徐々に増した事も、知らず知らず考えが変わった事も説明が付く。

異物と感じさせないほど魔力を小さくするとは。

厄介というか、本当にこれを考えた奴は性格が悪い。

だが、この小さい魔力が原因で間違いないだろう。

これをどう使うかが問題だな。

おそらく森の中に大量に紛れ込んでいるのだろう。

一度、森全体からこの小さな異物を消したいな。

浄化?

いや、集めようかな。

もっと集めれば魔力がはっきりと認識できるはずだ。

目を閉じて、森を覆うように魔力の膜をイメージする。

その膜が小さな異物を捕まえるようにイメージして、森全体を覆うように下ろしていく。

空気中に漂っている異物を捕らえるイメージだ。

そして問題が森に居る魔物と動物だ。

数がどれだけいるか不明だが、既に操られている魔物たちがいるかもしれない。

原因となる異物を体の外に出せば、おそらく解放されるだろう。

膜で魔物や動物の中にある小さい異物を捕らえ、外に取り出すイメージをしっかりと作る。

このイメージは細部までしっかりと膜を通して異物を体内に残さないよう注意する。

森の草木や花や実そして水に、最後に地中にも膜を通して異物を捕らえるイメージを作りあげる。

ふ~何とか出来た。

集めたモノをどうしよう……。

森全体となると結構な量になるよな?

膜をそのまま利用して閉じ込めるのが、一番安全かな。

調べたいから……俺の魔力以外には反応しないように魔法をかけて、石の様に固めておこう。

他の石と区別がつくように、真っ黒な石にでもしておくか。

よし、イメージ完了。

で……これって何の魔法になるんだろう?

シンプルでいいか。

作ったイメージに魔力を乗せて

「異物キャッチ」

森全体が光っている……ちょっと激しくないか?

大丈夫かな?

森を覆う膨大な光に腕で目を隠すと、ふっと体が後ろに倒れる。

どさっと地面に尻餅をつくと……尻が痛い……。

痛さに悶えていると、体からものすごい量の何かが出て行くのが分かる。

これって魔力か?

ぅわ~、すごい!

体の中が空っぽになっていく感じだけど……えっ、これって大丈夫か?

ちょっと心配したが、森の光が消えると魔力の放出も落ち着いたようだ。

さすがにビビった。

此処まで魔力が減っていくのを感じたのは初めてだ。

視線を感じたので周りを見る……失敗した。

仲間が集まり不安そうに俺を見ている。

「大丈夫だ、魔力は回復しているから」

放出した魔力が、すごい勢いで体に補充されているのを感じる。

そう言えば、魔力が無くなるとどうなるのだろう?

…………死ぬとかないよな?